取扱業務

債権回収
債権回収のために準備すること 債権回収の具体的な方法
よくあるご質問(債権回収Q&A)  
債権回収の具体的な方法
 
 

◆請求、交渉

 債権回収についてご依頼をいただきましたら、相手方が支払のために必要な財産を隠したり、処分するおそれがあるなど、緊急に財産を保全(確保)する必要があるような場合を除いて、まずは法的手続をとる前に、通常の請求・督促を行うことから始めます。

 通常の請求・督促といっても、「弁護士からの」請求・督促であることによって、「当社は債権回収について強い態度で臨みますよ」ということを明確にするとともに、「最悪の場合、法的手続もありうる」という認識を相手方に持たせることができますので、これだけでも相当程度のプレッシャーを与えることができます(逆に、強硬な手段に訴えることにより、相手方の態度がかえって硬化してしまうことが想定されるような場合には、弁護士名を出さずに、助言や書面作成などにより、債権回収を支援していきます)。

 また、弁護士からの請求・督促の結果、相手方が実際の支払に至らなくとも、支払の猶予や分割支払の希望を申し入れてくるなど何らかの具体的な回答を得られることが多いため、これを糸口に、専門家である弁護士が、貴社の債権を最大限回収するために実効的な交渉を行っていきます。



 

◆債権の保全-仮差押

債権の保全とは

 債権保全の措置は、民事保全と呼ばれる手続の一種で、相手方(債務者)の財産が、実際に強制執行をするまでの間に処分されたり隠されたりしてしまわないようにするために、債権者側からの一方的な申立をもって、取り急ぎ債務者の財産の現状を維持・確保しておく予防的・暫定的な手続で、仮差押や仮処分がこれにあたります。

 このような債権の保全手続が債権者に認められているのは、以下のような理由によります。
 債務者の財産に対して実際に強制執行をするためには、裁判所の確定判決など債務名義というものが必要となります。
 この債務名義を予め取得していた場合には、直ちに強制執行に着手できるため大して問題になりませんが、債務名義を取得していない場合、債務名義を取得するための手続から始めなければならず、強制執行に至るまでかなりの時間がかかってしまうため、この間に債務者が自己の財産を処分したり隠したりしてしまうと、ようやく強制執行にたどりついても空振りに終わってしまい、回収できたはずの債権が回収できないという事態に陥ってしまいます。

 そこで、このような事態を回避するために、予め債務者の財産を保全することが認められているのです。

仮差押−その手続と威力

 仮差押とは、金銭債権についての強制執行を保全するために債務者の財産を仮に差し押さえて、債務者による財産処分に一定の制約を加える手続で、銀行口座などの預金や不動産を対象とした仮差押が典型例として挙げられます。
 仮差押をするためには、裁判所に申立をして、仮差押命令を発令してもらう必要がありますが、この際、以下の要件が求められます。

@ 被保全権利が存在すること(債権者に本当に債権があるといえるか)。
A 債権保全の必要性があること(仮差押をする対象の財産を保全しなければ、将来、強制執行をすることができなくなってしまうおそれがあるといえるか)。

 これらの判断は、相手方に秘密のまま、裁判所において書面審理で迅速に行われます。
 裁判所において、@、Aいずれの要件も充たしていると判断されれば、概ね、債権額の2〜3割程度の金額の担保を立てることによって、仮差押命令が発令されます。
ここでいう担保とは、仮差押をするにあたっての保証金のようなもので、仮差押後の訴訟において債権が存在しないことが明らかになるなどして、仮差押の結果、相手方に不当な損害を与えることとなった場合の損害賠償に備える事前担保として要求されるものです。
 債権回収の手続が終了し、相手方に損害を与えることがなければ(正当な仮差押であれば)取り戻すことができます。
 なお、担保金は、債権者において、仮差押実行時に用意しなければなりません。)

 仮差押命令が発令され、執行されると、相手方債務者は、その財産の処分に大きな制約を加えられます。
 例えば、預金債権の場合には、債務者はその口座から預金を引き出すことができなくなりますし、不動産の場合には、仮差押の登記が付されますので、仮に債務者が不動産を第三者に売却するなどし、強制執行時には所有者が債務者でなくなっていたとしても、当然にその不動産に対して強制執行をかけることができます。

 また、売掛金債権の場合には、第三債務者(債務者の売掛先)は、仮差押後に相手方債務者に支払をしたとしても、仮差押をした債権者に対して、支払済みであるとは主張できませんので、その支払は留保されるのが通常です。
 加えて、売掛金が押さえられるというのは、取引先に対する信用問題となりますので、債務者にとっては非常に大きなダメージとなります。
 ただし、売掛金については、預貯金や不動産と異なり、本質的に短期間で決済されてなくなってしまうものであること、継続的な取引ではなく一回性の取引であるケースが多いことなどから、手続の迅速性がより強く要請されることにご注意ください。

 仮差押はあくまで保全手続であり、実際に債権を回収するためには、訴訟を提起して確定判決を得るなど債務名義の取得が必要となりますが、上述のとおり、仮差押は極めて威力の高い手続であることから、仮差押を行っただけで債務者が任意の支払に応じてくるケースも少なくありません。