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外国人の方のご相談
 
 日本における外国人の出入国や活動については、「出入国管理及び難民認定法」に基づいて管理されており、これに違反すると、最悪の場合、入国管理局に収容され、退去強制(強制送還)となります。

 このような退去強制についての事件では、「どうしても日本に滞在しなければならない事情があるから日本に残りたい」、 「入管での長期間の収容に耐えられないから釈放して欲しい」など、対象となった方は様々な思いを抱えています。
 しかしながら、現在の入管実務を前提とする限り、このような願いを叶えるのは、そう簡単なことではありません。

 退去強制になるような違反行為をしたことについて責任がある場合には、当然、反省してもらわなければなりません。
 それでも、人には様々な事情、思いがあります。
 とりわけ「日本にいる家族と離れたくない」という思いには、国籍による違いはありません。
 私たちは、そんな外国人やその家族の方の力に少しでもなれるよう、厳しい現実の中に光明を見出すべく、この案件に取り組んでいます。

もし収容されてしまったら〜仮放免制度

 退去強制手続は、身体の収容を前提として行われる手続であるというのが、入国管理局の立場です。
 そのため、オーバーステイや不法就労の助長(自らが経営している風俗店、例えば接客を伴うスナックで留学生を雇っている等)などの退去強制事由にあたる容疑があるとされている場合、または、すでに強制送還にするという結論が出て、その命令書が出されているものの、いまだ強制送還が実施されていない場合、その外国人は、入国管理局に収容されているのが原則です。

 しかしながら、当該外国人の事情によっては、一時的に収容が停止されて、一定の遵守事項を守ることを条件に、収容から解放されることがあります。
 これを「仮放免」といい、地方入国管理局長や収容所の所長の職権によって許可されることもありますが、収容されている外国人の側から申請することによって、仮放免の許可がなされるのが大半です。
 したがって、収容所の外に出たい場合には、仮放免許可申請をしなければなりません。

どのような場合に仮放免が許可されるのか

 仮放免許可申請をしさえすれば、必ず仮放免が許可されるわけではありません。
 仮放免の許否については、入国管理局の裁量によって判断されるものであり、一律の基準はないとされていますが、その判断にあたって考慮する事項については、関係法令等において以下のとおり定められています。

  • 被収容者の容疑事実または退去強制事由
  • 仮放免請求の理由及びその証拠
  • 被収容者の性格、年齢、資産、素行及び健康状態
  • 被収容者の家族状況
  • 被収容者の収容期間
  • 身元保証人となるべき者の年齢、職業、収入、資産、素行、被収容者との関係及び
     引受け熱意
  • 逃亡し、または仮放免に付す条件に違反するおそれの有無
  • 日本国の利益または公安に及ぼす影響
  • 人身取引等の被害の有無
  • その他特別の事情

 私たちの実務経験からは、当該外国人が、「未成年者の場合」、「未成年の子どもを育てている場合」、「日本人や永住者等の配偶者がおり共同生活を送っている場合」、「健康状態に問題がある場合」などで、信用できる身元保証人がいて、逃亡のおそれがない場合には許可されやすい傾向があるといえます。
 また、当初は仮放免許可申請が認められなかった場合でも、「収容が長期化している場合」は、人道上の観点から徐々に仮放免が許可されやすくなる傾向もあるように思います。

 他方、「身元保証人がいない場合」や「身元保証人による監督に不安があり、仮放免を許可しても入管への出頭が不安視される場合」には、なかなか仮放免が許可されない傾向にあります。

仮放免の条件〜保証金について

 仮放免の許可に際しては、「住居及び行動範囲の制限」、「呼出しに対する出頭の義務」、などの条件とともに「300万円以下の保証金の納付」が求められます。
 この保証金は、出頭確保のための担保であり、問題がなければ、将来、返ってくるお金ですが、逃亡するなど定められた条件を守らない場合には、没収されることもあります。
 金額は、数十万円で認められる場合から、上限の300万円の納付を指示される場合まで様々です。
 逃亡の可能性や身元保証人の資力との関係で、入管が裁量によって決めているようです。

 なお、法務省入国管理局と日本弁護士連合会は、弁護士が出頭の確保に協力する旨の書面を提出した場合には、仮放免の許否の判断においてそのことを適正に評価し、仮放免保証金の金額についても、必要最小限の額となるよう留意するとの合意をしています。

仮放免許可後の更新について

 仮放免が許可されても、退去強制の手続が終了するわけではなく、在宅に切り替えられただけですから、当該外国人は、原則として本人が、月に1回、入国管理局へ出頭し、仮放免許可の更新を受けなければなりません。

 仮放免の条件を守っている場合には、通常、更新が認められ、引き続き在宅で処遇されます。
 ただし、退去強制について争っていた裁判の敗訴が確定して、入国管理局が送還を実施しようとしている場合には、再度、収容されるという事態もあり得ます。

仮放免についてお困りの方へ

 以上のように、仮放免の許可については、一律に定められた基準があるわけではありません。
 それだけに、仮放免を許可してもらうためには、なぜ、外に出る必要があるのか、逃亡の可能性はないのか、出頭は確保されているのか等について、説得的に理由を説明する必要があります。
 そのためには、申請理由書を充実させるほか、必要に応じて関係者の上申書を用意するなどの工夫が有効な場合もあります。
 また、一度、申請が却下されている場合でも、再申請が認められる場合もあります。
 なすべきことは、事案によって様々です。

 「ある日、突然、身内あるいは知人が入管に収容されてしまった」、「仮放免申請をしたが却下されてしまった」など、お困りのことがございましたら、私たちにご相談ください。